胆道癌の専門サイト

胆道癌とは?

胆道癌

胆嚢癌の項目でも説明しましたが胆道(胆管)とは肝臓から十二指腸まで続く管のことであり、肝臓内部では左肝管、右肝管として分かれているものが肝門と呼ばれる部位で1本になりそのまま脾膵臓を通過した形で十二指腸の乳頭部と呼ばれる部分までつながっています。この胆道に発生する癌が胆道癌です。

胆道癌はさらに発生する部位によって3種類に分けられています。
肝臓内部の胆道に発生した胆道癌は肝内胆道癌と呼ばれ、十二指腸の乳頭部分に発生したものは乳頭部癌と呼ばれます。その間の胆道にできた癌を肝外胆道癌と言いますが、通常胆道癌と呼ばれるものはこの内の肝外胆道癌のことを指します。また胆道癌はさらに発生箇所が細かく分類されており、以下の4種類に分けられています。
●肝門部胆道癌:左肝管と右肝管が合流するあたりで発生した場合。
●上部胆道癌:胆道の合流部から膵臓の上部までの胆管の上半分の範囲に発生した場合。
●中部胆道癌:胆道の合流部から膵臓の上部までの胆管の下半分の範囲に発生した場合
●下部胆道癌:膵臓内部の胆道に発生した場合。
胆道癌の発生では膵液が胆道内部に逆流することによる化学的な反応が原因の一つとなっていると考えられています。また胆道癌を発症する人は胆嚢癌の時と同様に胆石が多く見られます。潰瘍性大腸炎やクローン病などでもリスクが高くなることが分っています。
日本では毎年15000人以上が胆嚢癌・胆道癌で死亡していますがほとんどは胆嚢癌であり、胆道癌はごく稀にしか報告されません。

胆道癌の症状

胆道癌の発生段階でのメカニズムは次の3通りの区別があります。
1.浸潤性の発育:肝外胆道癌ではこの発育のタイプが最も多くなります。胆道の粘膜から発生した胆道癌がしだいに周辺へと広がって行きます。
2.胆道内の発育:胆道の内部に向かって成長するタイプです。進行するにつれきのこのような形状をとる場合が多く見られます。
3.腫瘍形成を伴う発育
腫瘍部分が固まり、腫瘤となるタイプです。
肝外胆道癌では1か2のタイプがほとんどです。3のタイプは主に肝内胆道癌で見られる発育タイプです。
胆嚢癌同様、胆道癌の症状として最も多く見られるのは黄疸です。胆道癌では腫瘍によって胆道内部が閉塞されるために胆汁が流れにくくなります。そのため肝臓側に近い細い胆管が圧力によって拡張し、最後には胆汁が血管の中に押し出されることになります。胆汁に含まれるビリルビンと呼ばれる成分は黄色い色素を持っているため皮膚などが黄色く変化します。これが黄疸が引き起こされる仕組みです。
また胆汁が流れなくなった場合には便の色が白っぽいクリーム状に変化します。この白色便によって身体の異常に始めて気付く場合も良くあります。
また胆道癌が進行してくると血液中のビリルビンは尿の中にも混じるようになります。そのため尿の色が濃く、茶色に変化します。
黄疸が起った場合には同時に身体のかゆみを訴えることが多くなります。これは胆汁酸がビリルビンと共に血管内に放出されることが原因です。

胆道癌の治療

胆道癌の根治的な治療方法としては手術による切除が中心となります。胆道癌は発生する部位によって手術の方法や難易度が大きく異なってきます。
肝門部胆道癌や上部胆道癌では肝臓に対する浸潤が考慮されます。肝門部は肝臓の要と言っても良い部位であり、胆道の他血管も通っています。そのため転移が少しでもある場合には胆道はもとより肝臓の左右どちらか一方、もしくは中心部分を充分な安全領域を設けて切除する必要があります。
中部胆道癌の場合もたいていは肝臓側かもしくは膵臓側に浸潤している場合が多くなります。通常の手術では胆道とともに膵臓も摘出することになります。
また下部胆道癌ではやはり膵臓に近いため胆道とともに膵臓の一部も併せて切除する場合が多いようです。
また胆道の再発性の感染症が起きた場合や、胆道癌によって黄疸が起った場合には閉塞した胆管の中にたまった液を排出させる処置が必要となります。これをドナレージと言いますがドナレージには内視鏡を用いて行う内視鏡的胆道ドナレージ(ECP)と皮膚を貫いて経皮的に行う経皮経肝的胆道ドナレージ(PTCD)の2種類のアプローチ方法があります。
また胆道が完全に閉塞している場合には内視鏡を通じて胆道内部にステントと呼ばれるチューブを挿入することで閉塞を解消する方法もとられます。
ただしドナレージもステントも対症療法に過ぎず、根治するには他の方法を後に試みる必要があります。
また胆道癌が進行して根治不能な場合には胆道空腸吻合などの方法が取られる場合もあります。

胆道癌と化学療法

現時点で胆道癌に対する有効な化学療法は確立されていません。胆嚢癌や胆道癌はいずれも化学療法が効きにくい癌とされています。とは言え進行した胆道癌の場合には手術による切除では対応できないことがあるため、このような場合にはゲムシタビンなどの抗癌剤を用いた化学療法が行われます。また日本では2007年にティーエスワンの保険適用も承認されています。
このような背景もあって胆道癌は非常に根治が難しい癌の一つとされています。手術による患部摘出を行った場合でも5年生存率は30〜50%程度にとどまっており、手術不能とされた場合にはほぼ0%となります。また前述のゲムシタビン投与による化学療法のみの場合には生存期間の平均として7〜8ヶ月と言う報告もあります。
一方放射線療法についても胆道癌の場合には難しい側面があります。と言うのは本来放射線療法と言うのは腫瘍部分が正常な組織よりも放射線の照射によってより強くダメージを受けることが前提となりますが、胆道癌の組織に関しては正常な細胞や組織が受けるダメージとほとんど差がなく、胆道癌にダメージを与えることはそのまま正常な組織に対しても同様のダメージを与えることになってしまいます。
そのため胆道癌の放射線療法については線量や照射の方法に関して、胆道癌の部位や性質に応じて非常に細かく考慮される必要があります。現在用いられている胆道癌に対する放射線療法の照射方法としては以下の3種類があります。
●外部照射法:外部から少ない線量を用いてくり返し照射します。
●術中照射法:手術中に主要部分を露出させた上で視認しながら一度に照射します。
●腔内照射法:胆道中に細いチューブを通し、ラジウムやイリジウムなどを腫瘍の近くまで送り、腫瘍領域近辺のみを効果的に照射します。

胆道癌のステージ

胆道癌のステージ分類は国際的に使用されるTNM分類と国内における胆道癌取扱い規約による分類とがあります。ここでは胆道癌取扱い規約を紹介します。
●胆道癌取扱い規約による分類は、
1期:胆道癌が胆道の中だけにとどまっている場合です。
2期:胆道と隣接する臓器に広がっていることが疑われるか、胆道の近くのリンパ節に転移が見られる場合です。
3期:膵臓や肝臓、十二指腸、胆嚢など胆道と隣接する臓器に浸潤していることが明らかですが、その範囲が少ない範囲にとどまっている場合です。さらに・期以上に遠くのリンパ節へ転移している場合も含まれます。
4期:3期よりも遠隔の臓器にまで浸潤や転移が広がっている場合です。肝臓に転移している場合や腹部全体に癌細胞が広がる腹膜播種(ふくまくはしゅ)という場合なども含まれます。腹膜播種とは原発腫瘍からちょうど種を播くように胆道癌の細胞が散らばることから名付けられています。
となっています。
胆道癌では化学療法のみならず手術による摘出においても標準的な診断方法や治療方法が未だ確立されていない状態です。病院によって手術可能なステージや状況が異なる場合があります。特に最初に受診した医師が内科医である場合には肝門部など肝臓の近くに発生した胆道癌に関しては切除不能と見なすケースが多くあります。胆道癌においては完治する望みは手術以外にないため、こうしたケースでは外科的な専門医に再度診断してもらうことがなによりも重要になります。

グループサイト